2012/03/31

犬に噛まれた日

春風落ち着いた夕暮れどき、バイト帰り、辺は夕闇に包まれ始めてきた逢魔が時。
魔物が揺らめいていそうな薄闇、小雨がパラパラ降り始めていた。

小走りで帰路につく私を、あいつは襲った。

薄闇漂うT字路の角っこで、事件は起きた。

小走りの私。
と、その瞬間、薄闇のなか足元を白い影がふわりとよけた。
「っあ!!」
と思う間もなく、目の前にぼわっと女性が、今にもぶつかりそうな勢いで現れた。


幽霊か!?

そう思う間もなく、太もも後ろに激痛が走った。

。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。


その者たちは、散歩していた犬と飼い主だった。

この者たちも、小雨が降り出していたため、走って帰る途中だったのだろう。
そこで、双方小走りの者たち(私と、飼い主と犬)が、角っこでごっちんこ(ご対面)。

私は、いきなりのことでびっくりしたため、内心「シャーッ!」と威嚇していたのが犬に伝わったらしい。

飼い主に「すいませ~ん」と言われるか否かのところで、白い日本犬に、後ろから太ももをカプっ!っと噛み付かれた。しかも、ちびっと。このちびっとが、ますます痛い。

「いたぁ~い!!」と、小声の私。

「ごめんなさい、大丈夫ですか?!」と、飼い主。

そんな心配する飼い主に、返事する余裕なく負け犬のごとく「きゃぅ~ん」と、その場をしっぽ巻いて立ち去る私。

あぁ、私は動物として弱いよな~と思った。あそこで犬に、バウッッッ!!!っとドスの効いた声で威嚇できたらなぁ、なんて思った。

犬はというと、きっと、「してやったり!!ご主人様を守ったぞ!」と、犬日和につきているのだと想像する。あぁ、痛かった~。