今日、とある喫茶店での会話を聞いていて思ったこと。
そこの喫茶店は、毎月ごとに展示をしている喫茶店。
店員さんと展示中の作家さんの会話。ちなみに作家さんは、そこのお店でも働いています。
店員さん「頼んでいたイヤリングはまだかねぇ。もう今日で展示も終わりだよ。一体いつになったら出来るのかねぇ。まさか夏が終わっちゃってからだったりして?!それは嫌だなぁ〜。」
作家さん「○○さんのために、手間ひまかけて作っているんですよぉ〜。」
店員さん「型に流し込んだら、すぐに出来上がるんじゃないの?」
作家さん「型に流し込んでもまだやることがあるんですよ。」. . . . . . .
作家の彼女とはこの会話の前に、作品を作る工程、ちょっとした苦労話などを話していた。なので、型に流し込んだあとの手間ひまも、私は知っていた。
ものを作るということは、1+1=2とは限らない。
1+1=100にも100000にもなりうるし、−10にも−1000にも0にもなりうる。どうなるかは本人すらわからないこともある。
レンジでチ〜ン!はいできました〜!簡単はやい美味しい!がまかり通っている昨今、それを基本に考えてしまうと、手作りのもののじっくり時間をかけた手間ひまは、想像しずらいだろう。
ものを作るということは、ちょっとした手間、ちょっとした手間、ちょっとしたコツ. . . . の積み重ね。そのひとつひとつを見ていくと、大したことではないかもしれない。だけど、その積み重ねで、ひとつのものが出来上がっていく。深みも増していく。そのひとつひとつがとても大事。
なので、レンジでチ〜ン!簡単はやい美味しい!の感覚の人に、作品を軽く見られていると感じるときは、「こういう手間ひまかけて作っています。」と説明するようにしている。
でもあまりにもお互いの感覚がかけ離れていて、こちらの身が削られそうなときは、すたこらさっさ〜とさりげなく逃げる。エビが尻から逃げるように。気配を消して。空気のように。